いまは「改正法成立済み・開始前」
こどもNISAと呼ばれる未成年者向けの制度は、検討段階の案ではありません。所得税法等の改正法は2026年3月31日に成立し、同日に令和8年法律第12号として公布されました。口座を開設できるのは2027年1月1日からです。
ただし、制度上の開始日と、金融機関が予約・申込を受け付ける日は別です。当サイトでは、各社の受付日や必要書類をまだ確認していません。現時点で「どの金融機関でも申込できる」とは案内しません。財務省の解説(本文212頁・309〜317頁)と法律の成立・公布情報を参照しています。
誰が使える制度なのか
法令上の勘定名は「未成年者特定累積投資勘定」です。対象は、居住者等のうち、その年1月1日時点で18歳未満の人、またはその年に生まれた子です。単に申込日の年齢だけで判定する説明では不十分です。
未成年期に使えるのは、つみたて投資枠に対応する勘定です。成長投資枠も併用できる制度として紹介することはできません。財務省の解説(本文309・314頁)で、年齢と勘定の要件を確認できます。
年60万円と600万円は何を表す?
| 項目 | 確認した制度内容 |
|---|---|
| 年間投資枠 | 年間60万円まで |
| 非課税保有限度額 | 600万円。取得金額を基に管理 |
| 対象となる枠 | つみたて投資枠のみ |
600万円は、値上がり後の時価を600万円に抑える意味ではありません。購入した金額を基に判定されます。また、年60万円という枠は上限であり、毎年その額を積み立てなければならない義務ではありません。財務省の解説(本文309〜310頁)が根拠です。
積立額を考えるときは、制度の上限と、家計から継続して出せる額を分けて整理しましょう。非課税の枠があること自体は、利益や元本を保証しません。ここで家庭に一律の積立額を示すことはしません。
教育費に使うなら、払出し条件も先に確認
払出し制限期間中は、売却代金も「特定課税未成年者口座」で管理されます。「売却できる」と「口座から自由にお金を取り出せる」は別です。
子本人の教育費や生活費に使う場合の条件付き払出しには、年齢の判定、法定代理人の手続き、本人の同意を示す書類などの条件があります。大切な支出に使うつもりなら、積立前に売却と払出しのルールも確認してください。財務省の解説(本文310〜316頁)に基づく整理です。
旧ジュニアNISAがそのまま復活するわけではない
旧ジュニアNISAは2023年に制度が終了しています。2024年以降、年齢や事由に関係なく非課税で払い出す取扱いでは、口座内の株式・投資信託等と金銭を全額払い出し、口座を廃止します。この取扱いで一部だけを払い出すことはできません。
2027年からの制度は、この旧制度の払出し条件をそのまま引き継ぐものとして説明できません。旧口座の商品が新制度へ自動的に移るとも案内しません。旧口座を持つ場合は、金融庁の旧制度案内と金融機関の個別案内を分けて確かめてください。
始まる前に整理しておくこと
以下は法令の要件ではなく、家庭で検討を進めるための整理です。
- いつ、どの支出に使いたいお金なのか。
- 家計の支出と、積立へ回す額をどう分けるか。
- 親や祖父母から渡すお金について、贈与税をどう確認するか。
- 利用を考える金融機関の受付日、対象商品、必要書類は何か。
未成年者特定累積投資勘定が設けられる期間は、複数の金融機関へNISA口座を開設できません。金融機関を選ぶときの重要な確認点です。廃止・再開設の可否や税の扱いは条件によるため、乗り換え手順を自己判断しないでください。財務省の解説(本文314頁)を参照しています。
成人後の細かな総枠計算、既存口座の個別移行、各社の実際の手続きは、この初稿では検証対象としていません。確認できた一次資料がそろってから追記します。
この記事の一次資料
- 財務省「令和8年度税制改正の解説」
本文309〜317頁(PDF100〜108頁)。成立・公布は本文212頁。
- 財務省「令和8年度税制改正の解説」目次・訂正情報
2026年9月8日付の訂正表示を含む版情報。
- 国立国会図書館 日本法令索引・令和8年法律第12号
2026年3月31日の成立・公布を確認。
- 金融庁「2023年までのNISA」
旧ジュニアNISAの終了と2024年以降の払出し。
確認日:2026年9月30日。出典・更新方針
更新履歴
初稿作成。一次資料との照合と別担当による事実確認を実施。対象者、売却代金の管理期間、旧ジュニアNISAの払出し表現を修正。